2010年2月14日 塩山宗満
ローマの信徒への手紙 15章22節-16章27節
パウロはローマに行くことを熱望していましたが、その前にエルサレム教会を訪ねて、ギリシアやアジアで集めた献金を渡さなければなりませんでした。パウロは、このエルサレム訪問がとても危険であることをよく知っていました。ユダヤ教の総本山である、エルサレム、そこへ異邦人への使徒だと自分から宣言して、律法を守るのではなく、信仰によって義とされるのだ、という主張をしているパウロがエルサレムへ行くのですから、ユダヤ教の者たちがパウロを無事に帰すわけがありません。
パウロはこの手紙のあて先であるローマの教会の人たちに「どうか、わたしのために、わたしと一緒に神に熱心に祈ってください、」と祈ることを依頼しています。その祈りの中身は、ひとつは、パウロが来たらとっ捕まえてやろうとてぐすね引いて待ち構えているユダヤ教の主流派の人たちから守られるように、ということ。次に、パウロが持って行く献金をエルサレム教会の人たちが心から喜んで受け取ってくれるようにという祈りです。パウロはこの異邦人教会とユダヤ人教会がお互いを許しあって、支えあってくれるように心から願っていました。そして、最後のひとつは献金を届けるという仕事を終わらせた後、「喜びのうちにローマに行くことができるように」という祈りでした。
私たちの教会も貧しい群れだし、権力を持った人がいるわけでもありません。ただただ主イエスの福音を信じて集まっているだけの私たち、その私たちにできることはこのパウロの祈りに合わせて、ともに熱心に祈ることだけなのです。そして、それはなんとすばらしいことでしょう。